左官壁の特徴
オーガニック空間
左官壁は、石灰岩、化石、貝殻などの自然素材を原料とした材料を使用します。材料の持つ特性により、温度の調節、カビ防止、有害物質を吸着するなど、昨今の住環境に適した設備と言えます。また、土や珪藻土、漆喰といった自然素材は、アレルギーやシックハウス症候群を引き起こす物質を含まないため、住んでから症状を知った方などが、リフォームで左官壁を選ぶということも増えています。これから先の未来を考えた場合に、左官壁は、その空間で過ごす人の幸せをもたらす担い手になる可能性を秘めています。
芸術性
左官壁の表情は、画家がキャンバスに描く絵のように、職人のコテさばきで無限の可能性を秘め、言い換えれば唯一無二の模様を生むことも、石切をしたかのような滑らかで平らな面を生むこともできます。それは、「壁の数だけ芸術作品を手に入れることができる。」と言っても、過言ではありません。左官職人の手による、伝統的な技術で生み出す美しさや風合いは、海外からの評価も高く、オリジナリティーを求める方に適しています。人生の中でそう何度もあることではない建築の機会に、左官壁は自己の満足を満たすことに長けた、良い選択になるのではないでしょうか。
安全性
左官壁は、耐火性、耐久性に優れています。歴史をさかのぼると、古くは飛鳥時代から始まります。代表的な最古の建築物として法隆寺が挙げられますが、実は法隆寺の内壁の下地は土壁でできています。安土桃山時代には、更に鉄砲に耐えられる強度と耐久性を獲得します。また更に、江戸時代になると、漆喰の技術が確立されます。漆喰は耐火性、耐久性が高いことから、火事が頻発していた江戸の町で漆喰の塗り壁が広まっていきました。漆喰の塗り壁には他の特徴として、気密性や、断熱性が高く、安全性の副作用によって、快適な住環境をも手に入れることができます。